日本の試験は過去問から成り立っている
「くたばれ厚労省」「文句と涙しか出てこない」-。19日に全国で実施された看護師の国家試験が例年と出題傾向が異なり、受験者がツイッターなどで次々と批判しているとか。
厚生労働省は「難しくしたわけではない」と釈明するが、関係者からは、読解力を問う問題が急増し、来年度の改革に向けた「予行演習」との声も上がっているという。看護師不足から厚労省が合格点を下げるという観測も広がっているそうです。
19日に行われた第106回看護師国家試験は、東京、大阪など全国11都道府県で実施されました。試験終了直後からネット上では「あんなの勉強しても取れない」「過去問が全く当てにならなかった」などの不満が書き込まれたとか。中には、試験を所管する厚労省を攻撃する言葉も並んだとも。
私は、受験産業に身を置く者です。自身も大学入試を経験し、旧帝国大学の工学部と、地元の公立大学の薬学部に合格しています。他にも、エンジニアとして資格を1つ、あとは英検準1級を32歳で取得しました。
エンジニア関連の資格は、過去問習得がほとんどで、出題傾向が変わったとしたら、その時点でお手上げでした。大学受験と英検は、過去問を意識して勉強したことはなく、実力で合格しました。
けれども、日本の大学の半分は、過去問を10年分やっておけば、それで合格しますよ。他の国家試験も、医師とか弁護士以外は、おそらく過去問が頼りでしょう。
日本社会はね、独創力とか問われないわけです。前例通りにミスなく淡々と仕事をこなせば、それでよいのです。ヘタに、周りと比べて秀でたことをすると煙たがられる。
しかし、読解力を問う問題が、どうして看護師に必要なのですか。日本の国語教育は、高校や大学入試に見られるように、文学偏重です。
読解力とは、論理的な散文を正しく読み取る力量で充分ではないですか。文学作品を読んで、その受け取り方の模範を示すなんてナンセンスです。文学作品(小説)は、絵画同様、触れる人の感性に委ねればよいのです。
文系官僚が仕切ると、日本の科学技術は、さらに廃れてゆく。これは間違いない。
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